おでかけしましょ? -誘い編-

俺はあまりオセイジにも長いと言えない夏休みを堪能していた。
はずだった。
なのに、目の前には…。
「お久しぶりです、ユーリ。」
爽やかな笑みを回りに振りまいている好青年。
ココは俺の家の玄関前。鉄格子を引いた格好で俺は止まっていた。
だって、ココにはいないはずの人から。幽霊?てか、本物?
「コッ…コンラッドおぉ!?」
人を指差しちゃいけません。
そんな母さんの声が一瞬脳を横切ったがすぐに消えた。
確実におかしいだろぉっ!?
「はい。」
って笑顔で頷いて、指差していた俺の手を軽く引く。
気づけば目の前はコンラッドの胸板。
俺、抱き締められてる!?
自分の居る場所が俺んちの前であって。
かなり人目につきやすいのだ。しかも昼間。このままだったらヤバイ。
『白昼堂々と、あそのこの渋谷さん家の次男が美景の青年と抱き合っていたんですよ。』
って、近所のおば様方の井戸端会議のネタにされてしまう!!それだけは勘弁だ。
とくに、兄貴には何を言われるか…。
「えっと…とりあえず、どうぞ?」
このままではヤバイのでとりあえず、一旦退散だ。
コンラッドの腕を掴み、半ば強引に家へと連れ込んだ。
苦笑しているのが見えるが気にしない。じゃないと、俺の将来がない。
今日は俺一人。連れ込んだところで問題なし。
かといって、リビングってのもどうかと思うので俺の部屋に。
前日掃除したので綺麗。よかった、母さんお言うこと聞いておいて。
「ユーリ、いきなりですが明日空いてますか?」
「明日?空いてるけど?」
本当にいきなりの話にビックリしながらも頷く。
しかし、頭の中は大混乱だ。
まず、なぜこっちにいるかを説明してもらわないと。
「で、ですね。チケットをもらったんですよ知り合いに。」
胸ポケットから取り出してみせるチケット。よくみると、某ネズミーではないか!
「どうしたのそれ!?」
どうやって来たとか、全て頭の中から飛んでいった。
なぜなら目の前にこの世界じゃないと手に入らない物を持っているからだ。
コンラッド、こっちのお金なんて持ってるのか!?
「で、ユーリを誘いに来たんです。もちろん、一緒に行ってくれますよね?」
拒否はできない質問。俺に用意されている答えは一つ。
もちろん、二択であってもそっちを選ぶが。
「もちろん。」
こうして俺は明日、コンラッドと出かけることになった。
これってもしかして…デートですか!?
「では、明日。迎えに来ますね。」
ちゅっと音を立てて額にキスをして部屋から出て行った。
慌てて追いかけるが時は遅し。
もう、コンラッドの姿はなかった。
てか。
「足速いな!!」
誰も居ない場所に向かって一人ツッコミ。
とりあえず、俺は明日のために支度をすることにした。
コンラッドの横に立っても恥ずかしくない服とかを選ぶ。





ネズミーに行くことになったので、ウキウキ具合をユーリに託そう!
というはずだったのですが、どこで間違えたのでしょうか?(滝汗)
なんだかわけの分からない話になってしまいました;;
続いちゃいます。
「誘い編」・「デート編」・「後日編」の三つの予定です。
行く先はランドではなく、シーの予定です。
たぶん、ギャグです;;

                     by aya kisaragi