眞王高校ホスト部 |
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南校舎最上階 北側廊下のつきあたり 未使用無人の音楽室 扉を開けると そこはホスト部でした 「いらっしゃいませ。」 なんなんだ…この美麗集団は…。 「なんだ男か。」 先程とは打って変わった声色で呟く二人。 「口を謹め。男だって大切なお客様だろう。」 嗜めるのはどうやらこの集団のリーダのようだ。 煌びやかなこの集団に圧倒されて呆けていると、そのリーダーが近付いてきた。 眞王ホスト部へようこそ。世にも稀な特待生のシブヤユーリ君。」 恭しく跪き、片手を取るとその掌に唇で触れた。 なっ…何してるんだこの人!? 慌てて手を引っ込めると、突拍子も無い行動をしたリーダはくすりと笑った。 「てか、何で俺の名前…。」 私立眞王学院は一に家柄、二にお金。財ある者は暇を持ち。 かくしてホスト部とは暇をももてあます高等部美麗男子六人が、同じく暇な女子をもてなし潤わす。 超金持ち学校独自の華麗なる遊戯なのでありました。 「どうもうちの校風は庶民には敷居が高すぎるらしくてね。 よほど図太い神経の持ち主でもなきゃ奨学特待生にはなれないだろうと言われてたんだ。 これで君をしらなきゃモグリだろう?」 「はぁ…。」 メガネをかけたどう見ても腹黒そうな青年がすらすらと述べる。 はっきり言って恐い。 「しかし、噂の君が男色家だったとは…。」 目にかかる前髪を掻きあげて微笑む。 だっ男色!? 「違うって!!俺はただ…。」 訂正するべく両手を振り回したのが失敗だった。 ガタンと音ともに棚に乗っていた花瓶が床へと降下し、無残にも粉々に割れた。 「あーあ…校内オークションの目玉予定だったルネの花瓶が…。」 「困ったねぇ…これ800万からふっかけようと思ってたんだよねぇ…。」 はぁと溜息をつく双子。 その刺々しい言葉の中で見逃せない単語があった。 「はっ…800万!?」 たった今、俺が割った高そうな花瓶は、高そうではなく本当に高かった。 「べっ弁償は…。」 「できんの?指定の制服も買えない人が?」 「大体なんなのさ、そのダサイ格好。」 追い討ちをかけてくる双子の言葉に俺の不安はいっそう高まった。 「どうするウェラー卿?」 わたわたとしている俺を尻目にリーダーとその相方らしき二人が話を進める。 ウェラー卿と呼ばれたリーダーは少し考えた後、ついに口を開いた。 「こういう諺をご存知かな、シブヤ君。 『郷に入っては郷に従え』『金がなけりゃ体で払え』」 最初の出会いとは180度態度を急変して残酷にも俺に告げた。 「今日から君はホスト部の犬だ。」 あぁ、父さん。 アンタが死んでからどうにか頑張って入った高校で、俺はホスト部とかいうわけも解からない集団に捕まってしまいました。 「とりあえず、そのダサイ格好をどうにかしよう。」 とリーダーだと思ってたウェラー卿コンラート先輩はこのホスト部の部長でキングと呼ばれるほどの指名率を誇る。 「じゃぁ、オレ達がヘアースタイルを担当しよう!」 と意気込んで俺を拉致し、散発したのはまったく似てない双子のヨザックとショーリ(氏名不明) テキパキと受けた指示を実行するのは副部長のムラタケン。 ケンって名前は素敵だけど、どうも腹黒くて近寄りがたい。 何もせず、きゃんきゃん喚いているのはフォンビーレフェルト卿ヴォルフラム。 それを嗜めているのはフォンヴォルテール卿グウェンダル。 しかも驚く事にコンラッド先輩とヴォルフラム先輩、グウェンダル先輩は父は違えど兄弟! 微塵の欠片も似てない事から俺は似てねぇ三兄弟と密かに呼んでいる。 「着替え終わりました。」 渡された指定の制服に身を包みカーテンを開けて試着室らしき部屋から出る。 「おー…!」 思わず感嘆の声が上がる中、コンラッド先輩が近付いてきた。 上から下までじっくりと品定めする目つきで見た後、ムラタ先輩と二言三言交わし、衝撃を走らせた。 「ユーリ、君は今からこの部の正式部員とする! 100人の指名客を集められたらあの800万円の花瓶の件をチャラにしよう。」 雑用の方がマシだったと思う条件を突きつけられて、それは嫌だと言えるほどの度胸も無く。 しかも何故だかコンラッド先輩のお付っぽい事までさせられて。 俺の未来はどっちやら………。 -おまけ- 「ウェラー卿。」 カツンと足跡を大理石に響かせながら近付くと、窓際から中庭を眺めていた視線をその人物へと移す。 「やぁ、ムラタ。」 にっこりと微笑みながら自分の名を呼んだ相手の出方を伺う。 用件があるならさっさとしろと口には出さずに。 「アレで良かったのか?」 「あぁ…後は時間をかけて落とすよ。」 楽しみだなと呟きながら中庭へと視線を戻す。 「入学当初から目を付けていたものな。しかし、あんな横暴へ出るとは思わなかったよ。」 隣に並び同じように視線を中庭へと落とす。 二人の視線の先には今回、半分以上無理やり入部させたユーリがいた。 双子に絡まれて迷惑そうにしながらも楽しそうにしている。 「ユーリが来た時には夢かと思った。まさに『たなぼた』だったよ。 『鴨が寝気を背負って来た』とも言うかもしれないな。」 キングの名に恥じない不適な微笑みを浮かべながらユーリを眺める。 「『カモネギ』って…食べる気なのかい?」 「いつかは…ね。」 視線に気付いたユーリと目が合い、手を振る。 「シブヤも可哀想に。ご愁傷様。」 そんな会話がされているなどと夢にも思わない無邪気なユーリを一瞥し、去っていった。 ![]() 桜蘭高校ホスト部のパロディーでした。 やってみたかったのですが、アニメ化するまでに書きあがりませんでした;; とりあえず続きます。 各キャラの割り当ては… ハルヒ:ユーリ 環:コンラッド 鏡夜:村田 光:ヨザック 馨:勝利 ハニー先輩:ヴォルフ モリ先輩:グウェン 割り当てと言っても、ヴォルフがハニー先輩みたいだったらキモイ(ウワ)なので性格はマ王のキャラに合わせます。 あくまで目安ということで。 双子キャラを決めるのに苦労しました。 一応コンユですよ。 まぁ、コンユさが無くておまけを付け足したですが(笑) by aya kisaragi | |