意地悪 コンラッドver.

今、、オレの彼女は困っている。
というか、彼女だということをちゃんと認めてくれない。
オレたちは男同士で、しかも、主従関係ときている。
そんでもって、恋人同士なのだ。
「なぁ、コンラッド…。」
「何ですか、陛下?」
さっきから、これの繰り返し。
オレは普段は"陛下"なんて呼ばない。とくに二人っきりのときは。
けれど、わざと呼んでいる。ユーリがそう、呼ばれるのが嫌いなのを知っていて。
そして、俺は機嫌が悪い。
機嫌が悪い理由は、ただ、一つ。
ユーリがお見合いをしたから。
別に好きでしたわけじゃなく、成り行きでこうなってしまったのは、きちんと理解している。
それでも、ユーリはオレだけのモノであって欲しい。
ただの独占欲。
「コンラッド…。悪かったって…。」
ユーリの目が潤んできた。
それを無視して、俺はただ剣を磨く。
「もう…イイよ…。」
ユーリはもう、寝るらしい。
たぶん、オレの機嫌を直すのを諦めたのだ。
「コンラッド…。」
「…ユーリ?」
ユーリの頬を撫でる。
「何で泣いているんです?」
意地悪のつもりでしていたのにユーリ俺が泣いてしまった。
珍しく動揺してしまう。
拭いても拭いても止まらないユーリの涙がオレを困らす。
「コンラッドが悪い…。」
鼻声混じりの声で悪態をつく。
思わず苦笑してしまった。
「すみません、ユーリ。」
優しく瞼にキスを落として、許しを請う。
恭しくユーリにキスを落とす。
「許してほしかったら、もっと…しろ…。」
ユーリの命令は絶対。
オレを縛って離さない。
「えぇ…。」
沢山のキスが降らす。優しくユーリを慰めるように。
離したくない。そのためなら、何だってしよう。
「んっ…。」
ちりっとした痛みを走らす。
「可愛い…。」
首筋にキスマークを付ける。
「見える位置に付けるなって!!」
「いいじゃないですか。ユーリがオレのモノっていう証拠ですよ。」
オレだけのユーリ。他の誰にも渡したくない。
だから、沢山付けてあげよう。
「ダメダメ!!!」
ユーリが暴れるがそんなのは無視。
こーして世界はゆっくり廻ってオレたちに愛を授けていく。
だから、やめられない。
もしかしたら、縛られているのはユーリの方なのかもしれない。
そうだといいなと思う。
「ユーリ……。」
…でも、そろそろ、止めないと明日のユーリに支障が出るかもしれないが。
我儘だな、オレ。
それでもやめられないのは、目の前の獲物が愛し過ぎるから。





「意地悪」のコンラッドver.でした。
実は、これも元ネタを紛失してしまい、手探りで書いたものです。
だから、「意地悪」と対の作品になっているかは微妙なところ;;
コンラッドの黒さが出なかった…OTL
                     by aya kisaragi