Who am I ? |
|
幸せとはなんだろう? 今だって十分幸せだと思う。 それでも、人間は幸せを追い求める。 昔の方が幸せだったのだろうか? 遠い片隅の記憶に語りかける。 固く閉じられた記憶の箱に。 危うく失うところだった、私の命。 どうにか、こうして生きています。呼吸を思う存分にしています。 呼吸ができるって幸せ。 「ごめんね、姫ー。」 大きな体を小さくして項垂れながら謝るヨザック。 てへって舌を出しているところが更に可愛い…マッチョな男なんだけど。 「気にしなくていいよ。素敵な上腕二頭筋を堪能させてもらったし。」 本当に素晴らしかった。呼吸ができなくなるくらいに。 「っ!!」 「…有利!?」 上腕二頭筋を思い出していたら、いとこの渋谷有利がコンラッドの隣に居るじゃないですか! 「ユーリ!!」 と思ってたら、その後ろに金髪のウィーン合唱団の美少年が。 「有利、これ、どういうこと??」 「いや、俺のほうが知りたいし。なんで、がココにいるのさ?」 二人でハテナマーク飛ばしている間にも、人がどんどん集まっていく。 そんでもって、金髪の美少年はわけの解らない事を言っている。 「ユーリはボクの婚約者なんだ!気安く触るな!」 婚約者?こんやくしゃ?コンヤクシャ? 意味が解らないんですけど。 「あー…隊長?姫さんにそろそろ説明した方がいいんじゃ?」 「そうだな…。」 コンラッドが頭を抱えるのが見えた。 どうやら、まとめてみると、ココは異世界であるらしい。 んでもって、いとこの有利はこの世界の魔王様らしい。 凄いジョブだね、有利。かなりの出世だよ。 んで、コンラッドは三兄弟の次男らしい。 長男が難しい顔をしているグウェンダル。 三男が美少年のヴォルフラム。 でも、みんなお父さんが違うらしい。 複雑なんだなーって思ってたら、単に、お母さんこと前魔王様のツェリ様が自由恋愛主義だったらしい。 でも、やっぱり、難しくて、ヴォルフラムはコンラッドの事が嫌いらしい。 詳しい理由は解らないけど。 で、有利はヴォルフラムに間違って求婚しちゃって、しかも、子供までいるんだなこれが。 グレタっていう可愛い女の子。会ってみたいなー。 「で、なんで、私はココにいるの?」 一番の問題。私は何で、呼ばれたんですか? 「それは、姫が初代の巫女様であるからでございます。」 と、かなり興奮気味で答えてくれるギュンター。 「巫女?それって、あの、神社とかにいる?」 「姫が何を言っているのか、ちょっと解らないのですが、初代の巫女様は魔王様、大賢者様と並ぶ強力な魔力の持ち主です。 そして、大賢者と同じく、魔王様を支える方でした。 この世界を豊かで平和にするため、自分の命と引き換えに強大な魔力を使ったのです。 本来、ユーリ陛下のように生まれ変わるのですが、巫女様に限って今まで生まれ変わってきてはいないのです。 おそらく、再生に時間がかかるほどの魔力を消費したのだと思われます。」 つらつらと並ぶ言葉に私の頭は今にもパンクしそうです。 て、ことはですよ。 「私は、魔族なの?」 「正真正銘の魔族です。相黒でもいらっしゃるのが、その証です。」 有利を見てみると複雑な顔をしていた。 たぶん、彼も最初にこーゆー話をされたんだろう。 彼らが私を騙しているとも思えないし、これがただの夢かもしれないし。 とりあえず、ここはどうしようもないんだから、従うしかない。 郷に入っては郷に従えだ! 「了解、了解。で、私って何するの?」 「特にはございません。」 ……えーー!!? 呼ばれて来たのにやることなしですか? 何のために来たんだよYO!!!! ![]() やっとこ、主人公の正体暴露 そして、かなりのオリジナル設定。 補足ですが、巫女といってもウルリーケとは格が違うんですよ。 主人公のほうがかなり上です。 次回は色々やる予定。 by aya kisaragi |